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パビリオン

2011年9月21日水曜日

前にちらと書きましたが、仮住まいのアパートは高さ142m・39階建て、スターリン様式の巨大建造物です。未来都市を思わせる奇抜な建物が多いレフトバンクで、このアパートだけがなんだか時代錯誤っぽく、妙に目立ちます。2006年の建設なので、アスタナの都市計画に沿って意識的に建てられたのは確かですが、その意図するところは何?と気になっていました。

調べたところ、スターリン様式とはバロックとゴシックの融合形だとか(よくわかりませんが、重厚そう)。旧ソビエト時代の1940~50年代、この様式で建造されたモスクワの高層ビルにモスクワ大学、ラディソン・ホテル、外務省など7つの建造物があり、「セブン・シスターズ」と称されているそうです。写真を見ると、このアパートはたしかにその七姉妹にそっくりです。
なぜ、それがここに?という疑問に一番答えてくれたのは、Joshua Kuceraというアメリカのジャーナリストが書いた記事でした。アスタナ市の都市計画主任へのインタビュー記事で、「アスタナ市の都市づくりは、大統領のマルチベクトルな外交政策を反映したものだと主任が述べた」と書いています。「世界のすべてのパワーとバランスのとれた関係を目指すという原則にもとづき、世界から最高のものをとりこみ、アスタナを国際都市にする」考えだそうです。
ビルの最上階に中国風宮殿がのっている北京パレスホテル、平和のピラミッド、巨大テントのハーン・シャトゥル、もうすぐできるリッツ・カールトン、仮住まいのこのアパート。パビリオン_a0238314_212816.jpgこれらは中国やエジプト、カザフスタン、アメリカ、ロシアを象徴しているということなのでしょう。万博のパビリオンみたいです。確証はないものの、アスタナにちぐはぐな建築物があるワケを自分なりに納得しました。

写真はアパート「トライアンフ」。表には立派な門と道があるのですが、スーパーからテクテク歩いて帰る野原の中の近道から撮ると、こんな風。お世話になってる住まいだけど、違和感は否めません。青い空にそびえたつ姿に「なんでこれをアパートにするかなぁ~」と。
by kouribakokara | 2011-09-21 02:43 | Comments(0)


海外を転々とする生活が終わりました。行李箱(中国語でスーツケース)で運んだ数々のものたちとともに暮らす日本での生活をつづります。


by kouribakokara

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http://movies.nytimes.com/2011/03/18/movies/the-gift-to-stalin-story-of-a-jewish-boy-review.html

「The Gift to Stalin」
旧ソ連体制時代のカザフスタンの片田舎での出来事を描いた映画。背景に映し出されるステップの四季がとてもきれい。

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