テンゲ

2011年11月18日金曜日

a0238314_12573916.jpgカザフスタンの通貨、テンゲ紙幣です。表にはアスタナのシンボル・タワーのバイテレクとその展望台にある大統領の手型がデザインされ、額面により色が違います。裏側は、国土の形の中に名所旧跡や自然。国ごとに通貨があるのは当たり前のような気がしていた私ですが、テンゲ導入のいきさつを読んで驚きました(以下、"In Search of Kazakhstan”から要約)。
a0238314_12592090.jpg1993年1月、ダボス会議に出席したカザフスタンのナザルバイエフ大統領は、ロシアの首相と散歩中に「ロシアはこの春から新しいルーブル紙幣を導入する。カザフスタンで使用する紙幣も印刷するので心配しないように」と告げられます。当時のカザフスタンは独立していたものの通貨はルーブルのままで、経済面でロシアからの影響を払拭できないでいました。ロシアとしては、スターリン像が印刷されたソ連時代の紙幣をやめて新ルーブル紙幣を流通させることで、カザフスタン経済への影響力を維持したいと考えていました。
ナザルバイエフ大統領は、新札への切り替えを機にカザフスタン独自の通貨導入を図ろうと、秘密裏に準備にかかります。国内の専門家や世銀・IMFとの会議を重ね、イギリスのトーマス・デ・ラ・ルー社に紙幣のデザインや印刷を依頼しました。
93年7月、ロシア国内では新ルーブルが導入されたものの、8月に入っても新紙幣はカザフスタンに届きません。使えなくなった古いルーブル札はただの紙切れになりました。カザフスタン政府は急遽、アルマティからロンドンに向け空っぽのイリューシン(貨物輸送機)4機を飛ばします。輸送機はイギリスで印刷されたテンゲを満載して帰還し、国内に急ピッチで紙幣が配布されました。その後間もないある金曜日の夜、大統領はテレビで「明日よりカザフスタンの通貨をテンゲとする」と宣言しました(以上)。

古い繋がりか経済破綻かという厳しい選択肢を前にして導入が決定されたテンゲ。この話を読んでから、テンゲを目にするたびにカザフスタンの気概のようなものを感じる私です。
by kouribakokara | 2011-11-18 13:18 | Comments(0)


海外を転々とする生活が終わりました。行李箱(中国語でスーツケース)で運んだ数々のものたちとともに暮らす日本での生活をつづります。


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http://movies.nytimes.com/2011/03/18/movies/the-gift-to-stalin-story-of-a-jewish-boy-review.html

「The Gift to Stalin」
旧ソ連体制時代のカザフスタンの片田舎での出来事を描いた映画。背景に映し出されるステップの四季がとてもきれい。

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