カザフスタン料理教室(4) 5本指
2013年4月6日土曜日
引越し後、ようやく3回目のカザフスタン料理教室をお願いすることができました。今回習った料理の花形は、なんと言ってもカザフスタンを代表する伝統料理「ベシュパルマク」。カザフ語でベシュは5、パルマクは指、つまり手で豪快に食べる料理です。大切なお客さまをもてなす時、結婚式や子どもの誕生、親族の集まりなどになくてはならない一品。ベシュパルマクがなければ他にどれほど豪華で多くの料理が並ぼうとも、カザフ人はもてなされた気がしない、という話も聞きました。
基本形のベシュパルマクの材料は、馬肉と薄くて平たい大きな麺(人の顔くらいの大きさ)、玉ネギやジャガイモが少々、調味料は塩と胡椒だけ。このシンプルさゆえに、ベシュパルマクの味の良し悪しは肉で決まります。先生はこの日、自分のお兄さんが調達されたという新鮮で良質な馬肉を持って来て下さいました。部位も様々。大腿部、背中、あばら、お尻など赤味だったり脂がたっぷりとのっていたり。それに先生お手製のカズィと呼ばれる腸詰めも。これらを大鍋に入れ、アクをとりながら何時間も静かに煮ていきます。時間が経つにつれ煮汁が澄み、脂でとろみをおびてきます。その頃には良い香りが、室内だけでなく建物の中にも漂っていたと思います。
3時間くらいで肉が程よく煮えてくると、半分に切ったジャガイモを同じ鍋に入れ柔らかくなるのを待ちます。その間に麺打ち。小麦粉に肉の煮汁と水を加え、麺棒で薄く薄くのばし、直径50cmもあろうかという円形の生地にします。それを4等分し、これも煮汁のなかで茹でました。器に茹で上がった麺を敷き、さまざまな部位の肉を切ってのせ、煮汁で煮たジャガイモと玉ネギを上に置いて完成。
本来、茹で上がったお肉は切り分けず、まずは大皿にすべてを盛り合わせて来賓にお披露目されるそうです。最も美味な背肉が主賓の前に来るよう、盛り合わせ方は台所で慎重に議論され、失礼がないよう細心の注意が払われるとか。集まった人たちにとっても、一目でだれが主賓なのかがわかります。ベシュパルマクは、まさにカザフの伝統文化が詰まった一品なのです。
ベシュパルマクの肉の調達は、男性の役割と言われているそうです。美味しいベシュパルマクを振舞うには、肉を選ぶ男性の目利きと女性の麺打ちの技術が必要だった・・・そんな楽しい話を聞きながら、ベシュパルマク以外に作った野菜のピロシキ、そばの実を使ったコロッケ(グレチャンキ)なども試食。
こんな貴重な体験をさせてもらえるなんて、先生には感謝、感謝。すべての部位の肉を試食したため、昨夜の夕食も今日の朝食も何もお腹に入らず、今だ満腹のままの私です。
引越し後、ようやく3回目のカザフスタン料理教室をお願いすることができました。今回習った料理の花形は、なんと言ってもカザフスタンを代表する伝統料理「ベシュパルマク」。カザフ語でベシュは5、パルマクは指、つまり手で豪快に食べる料理です。大切なお客さまをもてなす時、結婚式や子どもの誕生、親族の集まりなどになくてはならない一品。ベシュパルマクがなければ他にどれほど豪華で多くの料理が並ぼうとも、カザフ人はもてなされた気がしない、という話も聞きました。
基本形のベシュパルマクの材料は、馬肉と薄くて平たい大きな麺(人の顔くらいの大きさ)、玉ネギやジャガイモが少々、調味料は塩と胡椒だけ。このシンプルさゆえに、ベシュパルマクの味の良し悪しは肉で決まります。先生はこの日、自分のお兄さんが調達されたという新鮮で良質な馬肉を持って来て下さいました。部位も様々。大腿部、背中、あばら、お尻など赤味だったり脂がたっぷりとのっていたり。それに先生お手製のカズィと呼ばれる腸詰めも。これらを大鍋に入れ、アクをとりながら何時間も静かに煮ていきます。時間が経つにつれ煮汁が澄み、脂でとろみをおびてきます。その頃には良い香りが、室内だけでなく建物の中にも漂っていたと思います。
3時間くらいで肉が程よく煮えてくると、半分に切ったジャガイモを同じ鍋に入れ柔らかくなるのを待ちます。その間に麺打ち。小麦粉に肉の煮汁と水を加え、麺棒で薄く薄くのばし、直径50cmもあろうかという円形の生地にします。それを4等分し、これも煮汁のなかで茹でました。器に茹で上がった麺を敷き、さまざまな部位の肉を切ってのせ、煮汁で煮たジャガイモと玉ネギを上に置いて完成。
本来、茹で上がったお肉は切り分けず、まずは大皿にすべてを盛り合わせて来賓にお披露目されるそうです。最も美味な背肉が主賓の前に来るよう、盛り合わせ方は台所で慎重に議論され、失礼がないよう細心の注意が払われるとか。集まった人たちにとっても、一目でだれが主賓なのかがわかります。ベシュパルマクは、まさにカザフの伝統文化が詰まった一品なのです。
ベシュパルマクの肉の調達は、男性の役割と言われているそうです。美味しいベシュパルマクを振舞うには、肉を選ぶ男性の目利きと女性の麺打ちの技術が必要だった・・・そんな楽しい話を聞きながら、ベシュパルマク以外に作った野菜のピロシキ、そばの実を使ったコロッケ(グレチャンキ)なども試食。
こんな貴重な体験をさせてもらえるなんて、先生には感謝、感謝。すべての部位の肉を試食したため、昨夜の夕食も今日の朝食も何もお腹に入らず、今だ満腹のままの私です。
by kouribakokara
| 2013-04-06 13:07
| 食
|
Comments(2)
Commented
by
CK
at 2013-04-06 15:16
x
これを全部食べたのですか?3.29のアジャール発見に写っている3人のたくましくがっちりしたおばちゃん達の体型に近づいて来ない様に
適当な運動もして下さい。
適当な運動もして下さい。
0
Commented
by
kouribakokara at 2013-04-06 15:40
さすがに完食とはいきませんでした。カザフ人の立派な体格は、寒冷地仕様の遺伝子と子どもの頃からの食生活。一朝一夕にはなれませんが、馬肉を食べると心なしかお肌も少しすべすべです。あ、でも食べたお肉がそのまま贅肉とならないよう、心して運動します。
海外を転々とする生活が終わりました。行李箱(中国語でスーツケース)で運んだ数々のものたちとともに暮らす日本での生活をつづります。
by kouribakokara
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http://movies.nytimes.com/2011/03/18/movies/the-gift-to-stalin-story-of-a-jewish-boy-review.html
「The Gift to Stalin」
旧ソ連体制時代のカザフスタンの片田舎での出来事を描いた映画。背景に映し出されるステップの四季がとてもきれい。