テミルタウ - 人との繋がりも足も
2013年5月18日土曜日
今週水曜日から、2泊3日でカラガンダへ。夫の出張に便乗したのは、以前からぜひ訪ねてみたい場所があったからです。アスタナから240kmにあるカラガンダ市の手前に、炭田と工業の町テミルタウがあります。その町にはマザーテレサのシスターが運営する男性アルコール中毒者のためのホームがあります。アスタナのシスターからその話をうかがい、機会があれば行きたいと思っていました。
アルコール中毒はカザフスタンの深刻な社会問題です。寒さが厳しいこと、安価なアルコールが数多くあること、歴史的背景など要因はいくつも。ことにテミルタウは男性労働者が多く集まり、国内でもアルコールと薬物の中毒患者がきわめて多い町とされています。
設立されて十数年になるそのホーム、収容者数は40~60人だそうです。若い人は少数で、大多数は中年以降。驚いたのは、その多くが片足または両足がなかったことでした。ホームレスでアルコール中毒になると、厳寒期に酔っ払ったまま町なかの地面をはう給湯管に足をかけて寝てしまい、給湯管に触れている部分はヤケド、触れていない側は凍傷にかかるのですが、泥酔していて痛みさえ気付かない・・・その結果、足を切断して無職となり、そのホームにたどり着くというケースが多いそうです。もちろん中毒から立ち直り、身体が不自由でなければ社会復帰する人もいますが、施設を何度となく出たり入ったりする人、施設で一生を終える人が多いとのこと。
もうひとつ気付いたのは、収容者の多くがカザフ人でなくロシア系だということです。ソビエト時代に労働者として、あるいはその子どもとしてテミルタウにたどり着いた人たちは、ソ連崩壊後に戻る場所や機会を失ったり、親類縁者とのつながりをなくしたケースが多いそうです。
ソ連崩壊によって人との繋がりも足も失った人たち。どんな人生を過ごしてきたのか、同じ世代ながらその厳しさは想像もつきません。暖かな春の陽射しのなか、両膝から下を失った1人の男性が、庭で地面にはいつくばるようにしながら丁寧に丁寧に種をまいていました。
今週水曜日から、2泊3日でカラガンダへ。夫の出張に便乗したのは、以前からぜひ訪ねてみたい場所があったからです。アスタナから240kmにあるカラガンダ市の手前に、炭田と工業の町テミルタウがあります。その町にはマザーテレサのシスターが運営する男性アルコール中毒者のためのホームがあります。アスタナのシスターからその話をうかがい、機会があれば行きたいと思っていました。
アルコール中毒はカザフスタンの深刻な社会問題です。寒さが厳しいこと、安価なアルコールが数多くあること、歴史的背景など要因はいくつも。ことにテミルタウは男性労働者が多く集まり、国内でもアルコールと薬物の中毒患者がきわめて多い町とされています。
設立されて十数年になるそのホーム、収容者数は40~60人だそうです。若い人は少数で、大多数は中年以降。驚いたのは、その多くが片足または両足がなかったことでした。ホームレスでアルコール中毒になると、厳寒期に酔っ払ったまま町なかの地面をはう給湯管に足をかけて寝てしまい、給湯管に触れている部分はヤケド、触れていない側は凍傷にかかるのですが、泥酔していて痛みさえ気付かない・・・その結果、足を切断して無職となり、そのホームにたどり着くというケースが多いそうです。もちろん中毒から立ち直り、身体が不自由でなければ社会復帰する人もいますが、施設を何度となく出たり入ったりする人、施設で一生を終える人が多いとのこと。
もうひとつ気付いたのは、収容者の多くがカザフ人でなくロシア系だということです。ソビエト時代に労働者として、あるいはその子どもとしてテミルタウにたどり着いた人たちは、ソ連崩壊後に戻る場所や機会を失ったり、親類縁者とのつながりをなくしたケースが多いそうです。
ソ連崩壊によって人との繋がりも足も失った人たち。どんな人生を過ごしてきたのか、同じ世代ながらその厳しさは想像もつきません。暖かな春の陽射しのなか、両膝から下を失った1人の男性が、庭で地面にはいつくばるようにしながら丁寧に丁寧に種をまいていました。
by kouribakokara
| 2013-05-18 14:21
| 旅
|
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海外を転々とする生活が終わりました。行李箱(中国語でスーツケース)で運んだ数々のものたちとともに暮らす日本での生活をつづります。
by kouribakokara
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http://movies.nytimes.com/2011/03/18/movies/the-gift-to-stalin-story-of-a-jewish-boy-review.html
「The Gift to Stalin」
旧ソ連体制時代のカザフスタンの片田舎での出来事を描いた映画。背景に映し出されるステップの四季がとてもきれい。