人気ブログランキング | 話題のタグを見る

新茶

2017年6月6日火曜日

新茶_a0238314_11123157.jpg
新茶_a0238314_11113029.jpg
パリに出かける前のことですが、敷地内の崖っぷちとか林の影とかに自生している小さなお茶の木をくまなく巡って、やわらかな新芽を摘みました。茶摘みは歌にもあるように立春から数えて八十八夜、5月初旬が一般的なようだけれど、なにしろうちのお茶の木は茶畑よりはるかに過酷な環境にあるため、茶摘みも百夜くらいになるのです。そして摘む人も、停めてある軽トラの荷台に手をかけて崖を滑り落ちないようにしながら、もう一方の手を精一杯伸ばし・・・写真のような感じ。
新茶_a0238314_11133120.jpg

時間がかかるわりに葉っぱはたいして集まらないのですが、お茶の木だってようやく出した芽を片っ端から摘まれてしまうわけで、お互い大変です。摘んだ葉はすぐに洗い、1~2分ほど蒸気のあがった鍋で蒸します。そう、去年のこと、蒸さずにいきなりホットプレートで蒸し焼きして、茶葉にならなかった苦い経験を思い出し、今年はちゃんと蒸しました。それからフライパンを35~40度の温度に保ち、蒸した茶葉がからりと乾くまで手でもみながら少しずつ炒っていきます。35度というと、ガスをつけてもすぐに止めねばならない低温。フライパンにつきっきりで作業をしていくと、最初は葉から出る油分でべとべとしていた手が徐々にさらっとしてきます。1時間ほどで最初の分量の5分の1の茶葉の出来上がり。この間に立ち込める良い香り・・・これはもう驚きの芳香です。緑茶というより上質の烏龍茶のような、とびきり品のよいお香のような。
そして出来上がった茶葉でお茶を淹れてみたら、正直、これまでで一番のなんともいえない美味しいお茶でした。二煎目も三煎目も違う味わいを楽しんで・・・でも茶葉はあと2回分くらいしかないので、なにか特別な日のために大切にとっておきたいと思います。

by kouribakokara | 2017-06-06 11:36 | | Comments(0)


海外を転々とする生活が終わりました。行李箱(中国語でスーツケース)で運んだ数々のものたちとともに暮らす日本での生活をつづります。


by kouribakokara

カテゴリ

全体



古民家再生
公園
未分類

以前の記事

2024年 03月
2024年 02月
2024年 01月
2023年 12月
2023年 11月
2023年 10月
2023年 09月
2023年 08月
2023年 07月
2023年 06月
more...

最新の記事

春分の積雪
at 2024-03-21 10:00
体調回復後の薪仕事
at 2024-03-16 16:24
めぐみの雨降り
at 2024-03-05 10:33
初春のパスタ
at 2024-02-24 15:45
春にむけて
at 2024-02-19 11:31

ライフログ


Apples Are from Kazakhstan: The Land That Disappeared [PR]


シルクロード・路上の900日―西安・ローマ1万2000キロを歩く [PR]


死の家の記録 (新潮文庫) [PR]


玄奘三蔵、シルクロードを行く (岩波新書) [PR]


中央アジアを知るための60章【第2版】 (エリア・スタディーズ26) [PR]

メモ帳


http://movies.nytimes.com/2011/03/18/movies/the-gift-to-stalin-story-of-a-jewish-boy-review.html

「The Gift to Stalin」
旧ソ連体制時代のカザフスタンの片田舎での出来事を描いた映画。背景に映し出されるステップの四季がとてもきれい。

記事ランキング

ブログジャンル

日々の出来事

画像一覧