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4月は薪仕事で

2019年4月20日土曜日

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つい数日前まで、朝夕は薪ストーブに火を入れるような冷え込みが続きました。4月になってもこんなに薪が必要だったのは初めて。備蓄していた薪が底をつく頃、ようやく春らしい暖かさになってほっとし、今後は薪を多めに用意しておかねばと実感しました。なので、4月はお天気が良くて夫が在宅の日、夫婦でとにかく薪仕事にいそしむことになりました。
近所の傾斜のきつい山には、まだ倒されたままで放置されている樫や楢の木が残っています。これを40センチほどの玉切りにし、崖の上の一か所に集積し、以前に設置した竹の滑り台を使ってロープでくくった木を一個ずつ下ろし、それを軽トラに載せて我が家の薪置き場まで運ぶという、素人が考えた苦肉の労働集約型作業。当然ながら一気にできるものではなく、体力と根気だけが必要です。夫がチェンソーで玉切りにするのを横で補助して1日が終わり、次の1日で崖の上に集積、さらに1日がかりでロープを使って木を下ろして運ぶ、と一連の作業は3日がかり。しかもワンラウンドで確保できるのは1~1.5カ月分なので、ひと冬に使う十分な木を確保するとなると3~4ラウンド働かねばなりません。
作業の合間、急斜面に腰かけてコーヒーを飲みながら里の桜を見降ろし鶯の声を聞くと、「もう駄目だ~」という気持ちが「さて頑張りますか~」と変化するのが不思議です。
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作業はなんとしても今月中に終えたい。その理由のひとつは気温。暑くなってくると作業がますます厳しくなるからです。もうひとつはマムシが出る前に済ませたいということ。本当は寒い冬から始動すべきだったのね・・・今後は冬の間もこつこつと次のシーズン用の薪仕事をしましょうと反省しつつ、4月は肉体労働で過ぎていきます。

# by kouribakokara | 2019-04-20 21:33 | Comments(0)

ランドセル

2019年4月14日日曜日

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先週の金曜日、小学校時代の同級生14人で和歌山まで日帰り遠足に出かけました。平日でもこれだけの人数が揃うのは、還暦を過ぎたゆえ。3台の乗用車に分乗し、和歌山ラーメンのランチを食べてから和歌山城に立ちより、その後やはり同級生が館長さんを務める花王エコミュージアムを見学しました。メンバーのなかには半世紀ぶりに再会した人もいて、昔話に花が咲きました。
小学校時代の友人と再会すると必ず話題になるのが、私たち姉妹(双子です)が背負っていた黒いランドセルのこと。あの頃、ランドセルは赤と黒の2色しかなくて、女の子は赤、男の子は黒が当たり前の時代でした。なのに、わが父は「黒いランドセルのほうが何色の洋服にでも合う」と私たち姉妹に黒のランドセルを買ったのでした。父はとても怖い存在だったので、その決定を覆せるはずはなく・・・。ただでさえ双子で目立つのにランドセルが黒なんて、とほんとに憂鬱な気持ちだったことを覚えています。私たちの黒いランドセルは同級生にも印象的だったらしく、再会すると必ずその理由を聞かれます。
時節がら、真新しい色とりどりのランドセルで新1年生が通学する姿を見ると、性別で色わけされていたことが昔話のよう。ただ一方で気になるのは、昨今のランドセルの高級化。私たちの時代もランドセルは安くなかったとは思うのですが、経済格差が広がっている今、ランドセルを買うことが大きな負担になる家庭だってあるはず。過度の装飾や凝った仕様は要らないでしょ、と思う私も父に似てきたのかもしれません。

# by kouribakokara | 2019-04-14 14:23 | Comments(0)

どたばた

2019年4月8日月曜日

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このところ想定内・想定外の出来事が続いて、どたばたしていました。その最たるものは、3月初旬に植えたメークイーンの種イモがすべて消えてしまったこと。ある日、畝にくぼみを一つ発見して何かなと思っていたら、翌日そしてその翌日とくぼみの数が増え、不安になって種イモを植えたあたりを掘ってみて・・・ほぼすべての種イモがなくなっていることに気づいたのでした。モグラ?イノシシ?アライグマ? 近所の方に聞いてみたら、「それはカラスですなぁ~種イモを植えているのを見てたんでしょう」とのこと。カラスってジャガイモを食べるのね、いや、それよりも土を掘り起こしたりするのね、とびっくりしたり感心したり。時期的に遅いけれど、もう一度、種イモを植え付け、今度は畝全体にカバーをかけました。さて、今年メークイーンが収穫できるのか・・・こればかりは待つしかありません。
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鶏小屋では雛が孵りました。10個の卵のうち6羽が孵りましたが、1羽はすぐに死んでしまい、また2個の卵は殻の一部が割れて中から雛のくちばしが見えていたものの、ついに孵ることはありませんでした。今は5羽の雛がにぎやかに成長中です。
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街の桜は満開を過ぎつつありますが、うちの庭の桜はようやく五分咲きといったところ。花は小さくて遠目には地味ですが、近づくと意外と華やかな八重桜です。

# by kouribakokara | 2019-04-08 21:58 | Comments(0)

春の食材で

2019年4月1日月曜日

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来客続きの週末でした。金曜日は娘がNYから遊びに来た友達を連れて、そして昨日は私の留学時代の友人夫妻とその知人のご家族。菜園はちょうど端境期で大したものは無いのだけれど(相変わらず開いたままの白菜やらスティックセニョール、ネギくらい)、先月作っておいたフキノトウ味噌や今が盛りのつくし、ぺんぺん草の蕾などを総動員。スーパーで出ていたウドも買ってきて料理してみました。
今やどこにでも美味しい料理を出すレストランはあるけれど、わざわざ家にお誘いして私の素人料理を食べてもらう理由は季節を実感してもらいたいから。肌で初春の冷たさと暖かさを、目で咲き始めた花々の色合いを、鼻で山郷の空気と土の香りを、耳でウグイスや様々な野鳥のさえずりを、そして口で春の苦みを味わってもらい、私が日々、あぁ気持ち良いと感じていることを共有してもらえたら嬉しいなと思うからです。
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そんなわけで写真は色々食べてもらった料理の一部。上からフキ味噌入りおにぎり、ウドの炒り煮、最近のレシピで見つけた桜の塩漬けが載った蒸しパン。その他にはぺんぺん草の載ったピザや開いたままの白菜の葉の塩麹炒めなどを作りました。


# by kouribakokara | 2019-04-01 14:05 | Comments(0)

花がつぎつぎに

2019年3月28日木曜日

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窓から見える風景が一度にカラフルになってきました。山茱萸やレンギョウの黄色はもちろんのこと、花桃の濃いピンク(写真上)、モクレンの白、椿の赤、そして開花が始まった桜の淡紅色・・・とりどりの色が朝もやのなか、昼下がりの青空の下、冷え込む夕暮れ時にそれぞれ鮮やかに浮かんだり滲んだり、時間によって違う表情を見せてくれます。
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3年前に植えた庭のヒュウガミズキには今年もレモンイエローの花がたくさん咲きました。足元のどんな小さな野草にも花。スミレやホトケノザ、オオイヌノフグリが地面を彩り、土筆も今が一番の伸び時のようです。植物が満を持して活動を始めたことを身近に感じながら、私も今日は畑仕事や野草つみをして過ごしました。

# by kouribakokara | 2019-03-28 21:16 | Comments(0)

春のお寿司

2019年3月21日木曜日

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昨日のこと、畑で春菊の種を撒いている時、背中に感じた陽光のあたたかさで確信しました。春が来たんだと。そして急いで確かめに行ったのは、近所の荒地。毎年そこに土筆がたくさん出るのです。三日前に見に行った時は姿形がなかったはずが・・・やっぱり出ていました!数センチの若々しい土筆たち。
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私の菜園で冬にうまく巻かなかった白菜から伸びた花芽を収穫した後、敷地内の湿気の多い斜面でセリの若葉を摘み、次に日課となっているぺんぺん草の蕾を採ってからキッチンへ。そろった材料を使って春のお寿司を作りました。自然のあまさとほろ苦さは、冬を越した植物が教えてくれるこの時期だけの特別な味です。

# by kouribakokara | 2019-03-21 09:34 | | Comments(0)

祖母のちぎり絵

2019年3月17日日曜日

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これまで住んだ様々な家になかったけれど今の家にあるもの、それは床の間です。若い頃だったら、床の間にカーテンを吊って収納にしていたかもしれないけれど、今の私には小さなギャラリーのような空間。和室のこの一角の壁に何を掛け、床に何を置こうかと季節ごと、節句ごとに掛け軸や布や花瓶や器を出してきて、置いては眺め、眺めては置きなおす、それはなんとも心楽しい時間です。
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その床の間で活躍するのは、祖母(母の母)が生前にたくさん作ったちぎり絵の色紙です。色紙用の掛け軸を壁にかけておいて、季節ごとに祖母の作品を入れ替えます。雪景色のなかの野鳥、ネコヤナギ、紅葉、野菜、花・・・あらためて眺めては祖母の色使いのセンスや描写の細やかさに驚き、色とりどりの和紙に囲まれて座っていた祖母の姿を思い出します。

# by kouribakokara | 2019-03-17 20:33 | Comments(0)

春の実感

2019年3月12日火曜日

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霜が真っ白に降りる朝もあるけれど、谷あいの集落をつつむ空気は確実に暖かくなってきて、地面の植物を見ていると季節の進み具合がわかります。冬枯れて茶色だった地面もこの数日で小さな野草に覆われ、若葉色になってきました。そうなると楽しみは野草摘み。さっそく畑をぐるりと周り、ぺんぺん草(なずな)の新芽やらスイバの若葉を収穫してきました。
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半端ものの野菜やきのこ、少しだけ残っていたお肉を煮て、仕上げに茹でて刻んだスイバを加えると、酸っぱくてすこしとろみのあるスープになります。ナズナを彩りに。ヨモギの葉を入れた食パンも焼いてみました。春になった実感はまず味覚から。

# by kouribakokara | 2019-03-12 16:12 | | Comments(0)

ひと畝まるごとメークイーン

2019年3月5日火曜日

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昨日は雨、今日は晴れ、明日からまた下り坂という天気予報。次の晴れは金曜だけど出かける予定もあり・・・と考えて、例年より少し早めだけれど、今日、ジャガイモの種イモを植え付けることにしました。1カ月ほど陽当たりの良い縁側で芽出しした種イモ。黒々とした元気な芽を確認してから、40gくらいに切り分けました。切り口に薪ストーブから出た灰をこすりつけ、畝に掘った穴に植えていきます。
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全長5mの畝すべてにメークイーンを、横の短い畝にアンデスとキタアカリをそれぞれ植え付けて今日の畑仕事はおしまい。こんなにたくさんのジャガイモを植え付けたのは初めてです。健康に育った緑の葉っぱのなかに白い花がたくさんつく様子を空想しただけで、なんだか嬉しくなってきました。
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山茱萸の花が咲き始め、飛ぶ虫を追ってガラス戸に激突する小鳥も増えてきました。幸い、この鳥は半時間ばかりじっとした後、正気付いて飛び立って行きました。良かった、良かった。

# by kouribakokara | 2019-03-05 15:26 | Comments(0)

畑の準備

2019年3月1日金曜日

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先月11日はこんな雪景色でした。ただ今季はやっぱり暖冬、いつもは幾度となく見るこんな雪景色もほんの2~3度で、月末にかけて季節は速足で進んだようです。
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冬季、ほとんど休んでいた畑仕事ですが、フキノトウやクロッカスの花を目にして慌てて再開。久しぶりに畝に鍬を入れると、硬くなった表層部の土の下から思いのほか柔らかい黒っぽい土が顔を出しました。うちの畑も3度目の春、少しずつですが土壌が改善してきたのかもしれません。鶏糞や堆肥や牡蠣殻を混ぜ込んで、畝の形を整えました。3月半ばには絹さややスナップエンドウの種まき、ジャガイモの苗の植え付け予定です。ぼんやりしていると季節に追い越されてしまう、とすこし気ぜわしくなってきました。

# by kouribakokara | 2019-03-01 09:44 | Comments(0)

百年の昔、百年の先

2019年2月25日月曜日

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週末、奈良県の吉野杉の産地として名高い川上村で行われた「伐採見学ツアー」に参加しました。我が家を修復してくださった設計事務所の主催で、日本家屋に欠かせない木をプロが伐りだす現場を見るという貴重な機会。お天気に恵まれ、お昼ごろ川上村に参加者30名余りが集合しました。
吉野では木こりのことを「山行き(やまいき)」さんと言うのだそうですが、山行き一筋46年というプロに導かれ、初めて吉野の杉林の中に入りました。空に向かってまっすぐ30mほど伸びた杉林はよく手入れされ、とても明るい空間でした。これから伐ると教えられた杉は、地上1mあたりの幹の周囲が2m半、高さは35m、樹齢130~140年の大木です。倒す方向は数メートル間隔に立つ他の木々の間を縫い、しかも斜面の谷側ではなく山側へ。伐採後そのまま放置して木の水分を抜くのですが、すこしでも山側に倒すと水分の抜けが早いのだそうです。
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見学者はすこし離れた場所で、伐採を見守りました。山行きさんの仕事ぶりはとても静か。慎重に木の幹を観察してチェンソーで受け口をつくり、次いで反対側に追い口をつくり、そこに楔を入れてカーンカーンと数度叩くと、大木からピシッと音がしました。山行きさんが「もう倒れますよ」と言いながら、おもむろに地面のチェンソーを持ち上げ、木から2mくらい歩いて離れた頃、大木はざーっと枝葉が擦れる音を響かせながら、予定した方向へと倒れて行きました。
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倒れた木に近づくと、断面の美しい年輪が見えました。その一カ所に濃い茶色の点。まだその木が人の腕ほどもない細さだった頃、枝打ちをした跡なのだそうです。山行きさんは木を伐ってそういった痕跡を見つけるたび、とても感動すると言われていました。私が見た枝打ちの跡は、きっと明治初めごろのもの。枝打ちをした山行きさんは、自分が生きている間には伐ることも使うこともない木が、何世代も後に立派な大木に成長し美しい材となるようにと、まさにその場所にやってきて枝を打ったのでしょう。山行きさんの仕事は次世代、更にその先を思って木を手入れし、伐採すれば1世紀以上前の先人の仕事に思いを馳せるという、なにか長い長い時間の流れのなかにありました。
帰宅して、家の梁や柱を眺めました。私はこの家に住んできた人たちのことを考えたことはあっても、そのずっと前、梁や柱となった木を育て伐りだした人のことを考えたことはありませんでした。先人たちの思いと仕事が形になった木の家、大切に使って磨いて、何世代か先の見知らぬ人に残していく長い時間の中の1人に私もなりたいものです。

# by kouribakokara | 2019-02-25 20:23 | Comments(0)

和歌山へ (3)高野山

2019年2月20日水曜日

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翌朝、宿を出て高野山に向かう前に、道の駅龍神のすぐ近くにかかる長い吊り橋を渡りに行きました。日高川の川面から10mほどの高さ、全長57mの木製吊り橋です。朝の冷気に包まれた吊り橋を渡り、向こう岸の皆瀬神社に参拝。
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龍神高野スカイラインはこの日もほとんど他の車の姿を見ることはありませんでした。尾根沿いに走る道路は高度を上げ、気づけば1200m~1300m。車窓から見えるのは雪国のような山の景色でした。近畿地方でも暖かいというイメージの和歌山県で、こんなに美しい樹氷を見ることができるとは。水墨画のような雪景色のなかを1時間ほど走って、車は高野山の立派な大門に到着しました。
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井上靖監修『私の古寺巡礼 四』に司馬遼太郎が高野山のことを書いていて、その最初に「山上はふしぎなほどに平坦である。そこに一個の都市でも展開しているかのように」という箇所があるのですが、まさにそんな感じ。あんなに山道を超えて来たのに、大門から奥の院までの広大な平たい土地に数々の塔やお堂、寺社や墓地が建ちならんで、そこが高い山の上であることを忘れてしまうような空間です。高野山はあまりに広すぎて、半日ですべてを見て回ることはできないということが今回よくわかりました。限られた時間の中で印象に残ったのは金剛峯寺。建物やその内部の趣向をこらした襖絵、日本最大の石庭など渋さとあでやかさ、静と動の対比がアートを鑑賞した後のような余韻となって心に残っています。

# by kouribakokara | 2019-02-20 21:05 | | Comments(0)

和歌山へ (2)龍神温泉

2019年2月16日土曜日

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日本三美人の湯のひとつ、龍神温泉へ。高野龍神国定公園のただなか、標高600mの山懐に抱かれた静かな温泉郷です。南部梅林から道のりにして50キロ余り、冬タイヤ+チェーン所持の車のみが通行できる山道を登り、1時間余りで到着。
泊まったのは上御殿という宿で、建物は江戸時代に建てられ有形文化財に指定されています。2月の平日だったせいか、宿泊客は私たちだけという贅沢さ。古い建物に流れてきた長い長い時間をそこここに感じながら、温泉や地元の食材を使った食事を静かに味わうことができました。料理の味をいっそう引き立てていたのは、長く使い込まれてきたらしい紀州漆器や食器の美しさ。これまで宿泊した宿のなかでも、また泊まりたいと思う宿でした。

# by kouribakokara | 2019-02-16 12:09 | Comments(0)

和歌山へ (1)和歌山城と南部梅林

2019年2月12日火曜日

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先週、1泊2日で和歌山方面へ家族旅行に出かけました。行き先は和歌山市とその周辺、南部(みなべ)梅林を経て、龍神温泉で1泊、翌日に高野山というコースでした。こちらに引っ越ししてから東へ西へ、そして北には行ったけれど、南方面は初めて。交通手段はいつものように車です。
大阪からだと和歌山市は思った以上に近く、県境を越えたらすぐでした。まずは和歌山城へ。天守と小天守が渡り廊下でつながった連立式の城は巨大ではないものの、さすがに徳川御三家の居城といった風格でした。石垣や階段に使われているのは「紀州青石」と呼ばれる緑泥片岩。その青っぽい色彩が、これまでに訪ねたお城とは違う雰囲気を醸し出していました。
和歌山市内で驚いたのは時間貸の駐車場がそこここにあって、しかも格安。そのうえガソリンが安いこと。たしかに今回の旅で実感したのですが、和歌山は目的地までの動線が長いうえに山がちなので高低差もあり、車が欠かせない所と言えそうです。
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加太漁港でとれた新鮮な魚料理の昼食の後、次にむかったのが南部梅林でした。毎年、南部の梅農家から梅干し用の完熟梅を取り寄せている私は、どんなところで梅が採れるのか見てみたかったのです。で、実際に梅林を見て驚いたのは、その広大さ。勝手に平坦な農園を思い描いていたのですが、実際にはゆるやかな丘陵一帯がすべて梅林でした。「車でまわる梅林コース」という表示に導かれて車1台がようやく通れる狭い道に入っていくと、その道はうねうねと丘陵を上がったり下がったりしながら、梅林の中を延々と続いていました。途中で梅農家の軽トラと譲り合ってすれ違いながら、とろとろと半時間以上も梅を観ながら走って、ようやくにもとの地点に戻りました。梅はまだ三分咲くらいでしたが、底冷えのする空気の中に強い香りを放っていました。

# by kouribakokara | 2019-02-12 17:50 | | Comments(0)

手紙の束

2019年2月4日月曜日

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1月は妹と何度か実家に行き、押し入れや物入れの片づけをしました。母は押し入れや物入れの表層部、つまり扉を開けてまず目に入る手前部分のモノのみを使って暮らしていて、腕をぐっと伸ばして届くあたりのモノはほぼ動かしていない状態。何が入っているのか本人も忘れているので、全部出して整理しようということになったのです。始めてみれば、まぁ出てくること、出てくること・・・魔界は思ったより深く、まだ当分は通わねばなりません。
ところで、そんな整理中に古い手紙の束を見つけました。見覚えある封筒、見覚えある字。百通を超すエアメールは、私がシンガポール留学時代からモルディブ在住時代までの間に両親や妹に送ったものでした。80年代初めから半ばですから、海外からの通信手段は手紙が中心、国際電話はオペレーターを通し料金も高額でした。もちろんeメールなんて影も形もない時代に、両親は未知の国に行った娘からの手紙をすべて保管していたのでしょう。
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読み返してみると懐かしいだろう、とすべてもらって帰ったのですが、何通か読んだところで若い自分の未熟さや幼さに失笑してしまいました。あの頃の私、あの頃の記憶は今の私の奥の奥、根っこのほうにあるのだからそれでいいじゃない。そう思って、すべて廃棄処分に。ただその前に写真を数枚撮りました。留学先だった南洋大学(今はシンガポール大学に統合)と印刷された封筒や当時の切手は、蒸しかえるような暑い学生寮の部屋の窓を全開にして、勉強の合間にせっせと手紙を書いていた若い日の自分の姿に再会させてくれました(写真は1981年のシンガポールの切手と1986年のモルディブの切手)。

# by kouribakokara | 2019-02-04 21:20 | Comments(0)

大根の保存

2019年1月30日水曜日

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菜園は冬の間ほぼお休みで、人参やネギ、白菜、キャベツなどが植わったままになっています。育っているのやら寒さに耐えて休眠状態なのやらよくわからないのが白菜とキャベツ。人参とネギは必要な時に抜きに行きます。ところで、12月半ばまでに立派に育った大根は一度に食べきれないこともあり、保存できるかどうかを年末にネットで調べました。一定期間は畝に植えっぱなしでも良いようですが、収穫後に改めて土の中で保存する方法もあったので、それを試してみました。
12月に掘り起こした大根は葉をとり、別の場所に数十センチほどの深さの穴を掘って、大根を並べて寝かせ土をかけました。埋めた場所を忘れないよう、また万が一にも動物に掘り起こされたりしないよう(そんなことがあるかどうかもわからないけど)、少し小山のように土を盛り上げてから上に大きな石を載せておきました。葉っぱのほうは、さっと塩茹でしてから冷凍保存。煮物や汁物に多用しています。
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土に埋めてから1カ月余り、大根が欲しくなって掘り起こしてみることに。鍬で上部の土を取り除いた後、園芸用の小さなスコップで大根を傷つけないように掘り出しました。本当にうまく保存されてるのかしらと半信半疑でしたが、手にした大根はなにも変わらず、切ってみると中もみずみずしいまま。こうして長期保存できるなら、今度の秋にはもっとたくさんの大根が育てられる、と嬉しくなりました。

# by kouribakokara | 2019-01-30 12:03 | Comments(0)

レディネス

2019年1月26日土曜日

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この1カ月間は行事も来客も多く、たくさん料理をしました。夫と2人暮らしの日常は煮物、酢の物、汁物とごくふつうの日本のごはんが中心ですが、料理本など眺めていると「これは作ってみたい、しかも数人分の量でダイナミックに作りたい」と思うレシピに出会います。そんなレシピを試すのは来客の時。味もいいだろう、失敗もしないだろうとある程度確信のもてるレシピに限りますが、材料を揃えて気合を入れて料理します。ただし前日に作り置きできるとか、下ごしらえを済ませておける場合だけ。これは、万が一失敗した時に別の料理をする余裕を持つため。これまでもそうやって、人が集まるときにドーンとテーブルに載せられる料理の数を増やしてきました。
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振り返ると、海外に住んでいる時は本当に来客が多くて、年に20~30回くらいのランチやディナーをこなしていました。今はめっきり回数も来客の数も減り、去年は12回、40人ほど。さて今年はどうなるか。
持論では料理と車の運転は同じ。しなければ段々と自信がなくなるし、する気もなくなる、そして下手になる。美味しいと言ってもらえる嬉しさを思いながら、今年も来客時のレディネスを持続させておきたいと思います。(写真上:チキンのコンフィ 写真下:タラのブニュエロ)

# by kouribakokara | 2019-01-26 13:32 | | Comments(0)

冷蔵庫の買い替え

2019年1月22日火曜日

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2007年から使ってきた冷蔵庫(写真上)をついに買い替えました。横浜市から宝塚市へ、そして今の家へと一緒に引っ越してきたのですが、去年の夏、急に自動製氷機が機能しなくなり、庫内に水漏れしました。ただ冷凍庫がこわれたわけではなかったので、製氷皿に自分で水をついで氷を作ってきました。
しかし購入から12年近く。もし猛暑のなか冷蔵庫が動かなくなったりしたら・・・それは困る。春以降は山菜や畑の作物が増えるに伴い、瓶詰やら加工品やらで冷蔵庫はフル稼働するのです。この寒い時期なら、古い冷蔵庫の食品を新しい冷蔵庫に収めるまでしばらく屋外に置くことも可能だし、ちょうど年越しの一連の行事が終わって冷蔵庫の中は少なめだし。そんなことを考えた結果、1月の第2週に冷蔵庫を買いに行きました。
12年ぶりに店頭に並ぶ冷蔵庫を見ると、ずいぶん様変わりしていました。なにより、冷凍室が昔より断然大きい。私は市販の冷凍食品をほぼ買わないので、野菜室より冷凍室が大きい冷蔵庫は要りません。庫内の機能も多様化していました。ある機種についてお店のスタッフが「熱い鍋をそのまま入れても、そこだけに冷気が集中して急速に冷ます機能がある」と説明してくれた時はちょっと笑いました。失礼ながら「そんな機能、いつ使う?そう説明するあなた、料理する?」と心の中で質問してしまいました。もうひとつ、昔と違うのは冷蔵庫内部の照明。今はLEDでとっても明るいんですね、隅々まで庫内の見晴らしが抜群です。
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かなり時間をかけて検討し、我が家の用途と台所の色合いに合うものを選びました。配達当日、業者のトラックはもちろん農道に入れず、うちの軽トラに冷蔵庫を積み替えての搬入となりました。前のとほぼ同じ大きさにしたのでぴったり収まり、新旧交代したかもわからないほどです。容量は前のものより少し大きめなのに消費電力は2分の1とか。それにしてもテレビやPCの価格は昔より安くなっているのに、冷蔵庫はますます高くなっていることが驚きでした。

# by kouribakokara | 2019-01-22 22:25 | Comments(0)

ビッグイシュー

2019年1月16日水曜日

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買い物に出かける駅前の陸橋で、いつものおじさんからビッグイシューの最新号を買いました。今月のスペシャル・インタビューはラミ・マレック。話題の映画「ボヘミアン・ラプソディ」でロックバンド「クィーン」のボーカル、フレディ・マーキュリーを演じた俳優です。思い起こせば、80年代に私の周囲にもクィーンの熱烈なファンがいたなぁ。私は音楽全般にほんとに無頓着な若者だったので、今回の映画でさえ実は観に行こうと思っていませんでした。ところがビッグイシューの記事を読んで、別の視点でこの映画を観るのもおもしろそうだと思えてきました。
俳優ラミ・マレックはエジプト系二世のアメリカ人で、友達に隠れてアラブ系の音楽を聞いて育ち、ラミが演じるフレディもまたインド系タンザニア人でイギリス式の教育を受けて育ったそうです。自分のアイデンティティの確立に葛藤した2人が時空を隔ててこの映画の制作で出会い、ラミ・マレックの人生に深く影響したという内容は興味深いものでした。

ところで、ビッグイシューという雑誌、ご存じですか。世界数か国で定期的に発行され、ホームレスの人たちが自立を目指して販売しています。1冊170円で仕入れた本を350円で販売し、180円が販売者の収入です。販売する場所や方法、販売者自身の精神的身体的状態について条件をクリアした人がこの雑誌を販売するそうです。私は初め、ひとりでも自立した生活を営める人が増えればいいなという思いで購入したのですが、実際のところ雑誌そのものがとても読みごたえがあり、今ではすっかり読者として新刊を楽しみにしています。きっとそんな人がたくさんいるはず。まだ読んだことのない方がいたら、街角で手に取ってみてくださいね。

# by kouribakokara | 2019-01-16 14:52 | Comments(0)

水泉動(しみずあたたかをふくむ)

2019年1月14日月曜日

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大寒を控えたこの数日は、七十二候では「水泉動」。厳寒とはいえ地中では凍った水が少しずつ溶け始める時期という意味で、真冬に待ち遠しく春を思う、そんな気持ちが表れた言葉です。ところが、この暖冬・・・確かに朝の庭は霜で真っ白だけれど、陽当たりの良い場所では早くもフキノトウが顔を出し、庭のミモザの蕾は日に日に色味を増しています。
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このあたりも何度か雪が舞ったきり一度も積もっていません。過去2度の冬と比べると薪の減り方は緩やかで、室温も高め。冷え込みの厳しさを実感せずに冬が半分過ぎてしまい、いや、これはちがうでしょ、ちゃんと寒くなってよ~と思うこの頃。厳寒のなか仕込むからこそ味噌はおいしく、畑の野菜は甘く、早春の草花を発見した時の嬉しさは倍増するのに。。。

# by kouribakokara | 2019-01-14 17:30 | Comments(0)

新年

2019年1月9日水曜日

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年初の投稿もできないまま、世の中はすっかり日常ですが・・・あらためまして、新年おめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願いいたします。
去年12月中旬にLenovoのカスタムパソコンをオーダーしてから1カ月近く、ようやく昨日、手元に届きました。振り返ると、30年前のワープロ時代に始まり、デスクトップ・コンピューターを経てノート・パソコンへとこの類の機器が自分の机上にないという経験は初めてでした。不便でしたが、おかげで気付かされたこともあります。私はこれまで翻訳の仕事やブログの作成、メール以外でもけっこうパソコンの前で時間を潰していたらしいのです。その証拠にパソコンのない年末は大掃除がさっさと終わり、お節の準備も30日に完了、31日は我が家で年越しをする母を迎えに行き、帰路にコーヒーショップでお茶などするゆとりも。長い主婦歴のなかでもほんとにゆったりと焦らず楽しく年末年始の家事をこなし、これからのパソコンとの付き合い方を考える機会になりました。
去年の年頭に自分のなかで立てた1年の計、それは実は「本を100冊読む」ということでした。で、年末の集計で実際に読んだのは37冊でした。3月までは順調に冊数を重ねたものの、酷暑の夏はほとんど読まず、パソコンがなかった12月に駆け込みで読んでようやく目標の4割弱。年間100冊の読書とは「計」というよりも「野望」だったことを思い知りました。が、懲りずに今年も同じ目標で自分に読書を課そうと思います。

# by kouribakokara | 2019-01-09 12:05 | Comments(0)

お休み中

2018年12月15日日曜日

鳥取旅行の話の途中で、ちょっとブログを休止中です。パソコンが急に動かなくなって、色々試みたけど復旧できないみたいです。携帯を使って文章をかくのは苦手だし、新しいパソコンが届くまで2週間ほど、お休みします。でもそのおかげで、ゆっくり本を読んだり葉書を書いたり、時間の流れ方が違うことが新鮮です。
パソコンの故障の原因には心当たりが・・・もうだいぶ前、コーヒーをドバーッとこぼしたこと。パソコンとコーヒー、絶対のペアなのですが、止めなくちゃなぁ。

# by kouribakokara | 2018-12-16 13:02 | Comments(0)

鳥取(3)鳥取市半日観光

2018年12月10日月曜日

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坂井原集落の後、鳥取市に入り鳥取駅近くのビジネスホテルで1泊。翌朝早めに鳥取城跡に向かいました。
この日も快晴で、二の丸跡からは眼下に市街地が一望できました。日曜日ということもあったでしょうが、どこかのんびりとして澄んだ空気に包まれた地方都市の眺めです。鳥取城跡の石垣は最近ようやく修復工事が終わったとのこと。整然と並ぶ美しい石垣を眺めながら、その上に建っていたであろう堅牢な城を想像しました。
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日本ではここでしか見られないという巻石垣。石垣を補強するために江戸後期に補強された部分だそうです。そこだけが現代アートのようなおもしろい眺めでした。さて、ここまでは山麓にある江戸期の城郭部分ですが、それ以前の戦国時代に造られた山城の跡を見るためには天球丸の片隅にあるお稲荷さんの鳥居をくぐり、標高263mの久松山山頂までの山道を登らねばなりません。私は下調べ不足でドライビングシューズのまま登ったのですが、すれ違う人はトレッキングシューズに熊よけの鈴と準備万端。さすがに5合目まで登ったところで断念しました。城跡を下りたら、山の麓にある仁風閣へ。旧鳥取藩主の別邸として明治時代に建設されたフレンチ・ルネッサンス様式の建物ですが、庭園は回遊式の和風というところがこの時代をよく表しています。
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午後に夫は講演を控えていたので、鳥取民芸美術館を観てから早めの昼食。土蔵を改造したシックな雰囲気のお店で、地元グルメの鯖丼をいただきました。器はもちろん、地元の窯元の焼物でした。

# by kouribakokara | 2018-12-10 20:13 | | Comments(0)

鳥取(2)坂井原集落

2018年12月6日木曜日

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石谷家住宅でお茶をして、次に向かったのは鳥取市、ではありません。智頭の町案内を見たら、町から約4㎞、標高400mを超える山の中に限界集落があるとのこと。それはぜひ見に行こうと車で急な山道に入りました。しばらく登ると、車1台がやっと通れる幅のけっこう長いトンネルが待っていました。先に進むのをためらう人もいるかもと思うような狭さでしたが、長年培われた性、却ってわくわくしながらずっと先の出口に見える光に向かって進みました。
そしてまた山道をしばらく、深い深い森の奥に目的の坂井原集落がありました。ひっそり、というのはこういう感じを言うのでしょう。1960年代前半まではかなりの村人が炭焼きや養蚕、たくあんの生産に従事しながら住んでいたそうですが、今は本当にひっそり。集落の中の坂井原ふるさと館に展示されていた昔の写真には子どももたくさん写っていて、小学校の分校もあったようです。その活気を帯びた写真を静寂に包まれた集落でながめる不思議な気持ち・・・。60年代後半になると山を下りて暮らす人が増えて急に過疎化が進み、今では年間を通して集落に住む人は3人と聞きました。「日本の山村集落の原風景」と称されるようになった坂井原は、山間部にあった昔ながらの村の姿を色濃く残しています。
集落の中はサザンカの花が満開で、家の裏手の川の水を引き込んだ洗い場に鯉が泳いでいました。藁を練りこんだ土壁、ずらりと干された小ぶりの坂井原大根、屋根を修復している人や野菜の種を採取している人。雪に覆われる前のひとの営みも感じました。

# by kouribakokara | 2018-12-06 14:39 | | Comments(0)

鳥取(1)石谷家住宅

2018年12月5日水曜日

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週末から2泊3日で鳥取へ。土曜のお昼頃、車で夫を職場に迎えに行き、そのまま中国自動車道を西へ。佐用で鳥取自動車道に乗り換え北に向かいました。紅葉の盛りは過ぎたとはいえ、車窓はまさに錦秋の風景。
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鳥取まで車であと30分、というところにある智頭(ちづ)という町で寄り道。江戸時代、参勤交代の宿泊地でもあったことから、古い町並みが残る静かな山あいの郷です。地主で手広く山林を経営し財をなした石谷家住宅に立ち寄りました。大きな木造家屋は門構えからして武家屋敷風、土間の吹き抜けに立って見上げれば、なんと天井までの高さが14m。お座敷の障子や欄間の細工は技巧が凝らされ、3000坪の敷地にみごとな庭園・・・こんな山あいの小さな町で、なんと風雅な暮らしが営まれていたことかと驚きました。
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民藝運動家、吉田璋也がデザインしたという食堂はティールームになっていました。庭園を眺めながらのコーヒータイム、静かで贅沢なひとときでした。 

# by kouribakokara | 2018-12-05 14:44 | | Comments(0)

六道絵

2018年11月29日木曜日

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私は若い頃、西洋の宗教画や日本の古い仏教画に興味がありませんでした。西洋の宗教画に目を向けたのは、カザフスタンのロシア正教会でイコンを目にしてから。その後も東西ヨーロッパを旅してギリシア正教会やカトリックの教会、その土地の美術館や博物館を訪ねて大量の宗教画を眺めているうち、絵画として鑑賞するのではなく、その絵が何を伝えようとして描かれたかを想像するようになりました。
こんな話になったのも、11月に中ノ島の香雪美術館で曼荼羅や「六道絵」を、そして広島の県立美術館でブリューゲル展を観てはっとすることがあったからです。国も文化も違うのにアートにはある種の似通った役割があった、その役割とは読み書きを知らず学校に行くこともない一般民衆にこの世での生き方と信仰を説くための「わかりやすい図解」を示すことだった、ということ。だからイコンの前で、私もふと思ったのですね。この絵、なにを言いたいんだろう・・・と。
六道絵の六道とは地獄、餓鬼、畜生、阿修羅、人、天のことで、人は生前の行いに応じて死後にこの6世界のどこかを巡るという仏教の考えです。六道絵には微に入り細に入り凄惨な場面が描かれていて、それを目にした人々はそんな恐ろしいことにならないよう正しく生きようと思ったのでしょう。難しい説法より視覚に訴える布教のツールでもあったわけです。初代ブリューゲルの描いた戦いや聖書に基づく絵も、ある種の「六道絵」のようです。そういえば、若い頃に留学したシンガポールで「趣味が悪くてヘンな場所だ」と驚いたタイガーバーム・ガーデンのあの極彩色に塗られた人形たちも、実は立体の六道絵だったのかと思いいたりました。 長く生きていて、やっと気づくことがあるもんです。もう一度、タイガーバーム・ガーデンに行ってみたくなりました。

# by kouribakokara | 2018-11-30 16:33 | Comments(0)

種いろいろ

2018年11月23日金曜日

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秋野菜の収穫がほぼ終了。サツマイモは期待はずれ、収穫が芳しくなかったのは、新しく畑にした場所の陽当たりが今ひとつだったせいかもしれません。里芋は豊作。落花生も予想以上の出来でしたが、収穫がやや早かったかも。本に書いてある収穫時期を気にするより、葉の色などを観察して自分の勘を信じるべきだったかなと思いました。小豆は今年も虫がいっぱいついて、全然だめでした。満足したり残念がったりしながら野菜を整理した畝を耕し直し、夏には野菜でにぎわっていた畑はだいぶ淋しくなりました。とはいえ、片隅では日ごとに冷たくなる空気に包まれ、じわりと冬野菜の白菜やカリフラワー、キャベツ、大根などが育っています。
今年は種もいろいろ採取してみました。写真は左上から時計まわりにニラ、オクラ、ゲンノショウコ、モロヘイヤです。
そして落花生の美味しい種は収穫直後には茹でて、ほかは乾かしてから薪ストーブにかけた鉄鍋でゆっくりと炒って、晩酌のおともとなりました。

# by kouribakokara | 2018-11-23 21:05 | Comments(0)

華やいで

2018年11月15日木曜日

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集落は1年でもっとも彩りの美しい季節に入りました。紅葉の始まった木々とともにサザンカの花が開き、木の実が赤く染まり、ツワブキの花が黄色を添え、十月桜が盛りとなって、谷あいは春よりもずっとカラフルです。日々の天気や朝、昼、夕方の陽光の変化につれて周囲の山も庭の様子もいろいろな表情を見せ、飽きることがありません。しかし今年はずいぶんと暖かい・・・気づけばもう11月も半ばというのに、これまでに薪ストーブを焚いたのはわずかに3日です。
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街に早々と登場したクリスマス飾りを見て、うちのツリーはいつ出そうかと考えたのですが、戸外がこんなに華やいでいる間はクリスマスツリーを出す気分にはなりません。思えば、街でマンション暮らしの時、11月の今頃からクリスマス飾りを出していました。鮮やかな秋の自然から遠かったせいかもしれません。今は、外の冬枯れが始まってから屋内に色を足すべくツリーを飾ろうかなと思っています。

# by kouribakokara | 2018-11-15 15:15 | Comments(0)

広島1泊2日

2018年11月11日日曜日

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快晴が続いてるし、季節はずれに暖かい。厚着しなくていいから歩き回りやすい。ちょうど私の予定も空き、最近の母の体調も良い等々、好条件が揃ったので、以前から「お墓参りに行きたい」と言ってた母を連れて1泊2日で広島に出かけてきました。母との二人旅は車でなくて新幹線。母は元気だけれどなにしろ87歳なので、旅程は空白のままのんびり気ままに、とにかくお墓参りだけは済ませようと大阪を発ちました。
1年ぶりの広島駅は併設の商業施設がオープンし、ずいぶんと様相が変わっていました。広島で最初のランチはそんな駅ビルでお好み焼き。その後、在来線に乗り換えて父のお墓、さらにタクシーで昨年末に亡くなった伯父(母の兄)のお墓へ。お寺の境内では桜やイロハモミジの大木が紅葉し、墓地を明るく彩っていました。私自身はお墓なんて要らないと思っているけれど、墓参に来て安堵する母の様子を見ると、生きている人にはお墓の存在が必要なこともあるのかなと思い直したり。
墓参が終わればフリータイム。ホテルに荷物を置いてから、近くにある縮景園(写真)に行ってみました。母は半世紀ぶりだとか。回遊式の庭園も紅葉が始まり、足元ではツワブキの花が満開でした。刻々と変わる夕陽の木漏れ日もとてもきれいで、閉園までのんびりと過ごしました。
翌日は広島県立美術館のブリューゲル展へ。全国で開催される展覧会ですから旅先で観ることもないと言う人もいるかもしれないけど、地方の美術館のほうが人が断然少なくて心ゆくまで鑑賞でき、実はすご~くお勧めです。
墓参と庭園と美術展、そして広島の空気を吸って、母も活性化されたみたいです。

# by kouribakokara | 2018-11-11 11:14 | | Comments(0)

河井寛次郎展

2018年11月4日日曜日

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先日のこと、三婆(母・妹・私)うちそろって兵庫県立陶芸美術館に出かけました。心待ちにしていた河井寛次郎展。河井寛次郎は濱田庄司やバーナード・リーチとともに民藝運動に関わった陶芸家です。これまでおりにふれて私が見てきた河井寛次郎の作品は、美しい釉薬がたっぷりとかかったおおらかな造形の大皿や壺ですが、今回の展覧会でそれらの多くがすでに20代、30代の若き日の作品であったことを知りました。年齢を重ねて到達した境地なのかと勝手に思い込んでいたことがわかり、びっくり。
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では晩年の河井寛次郎の焼き物は、というと、年齢を重ねるにつれ型にはまらない自由さと情熱のかたまりみたいな作品が増え、とくに「扁壺」(写真上・左)と呼ばれる不思議な形の多くの壺が残されています。溢れんばかりの創作意欲は陶芸にとどまらず、書や木彫り、オブジェ、家具のデザインなど多岐に及び、変な言い方だけど岡本太郎もびっくりのモダンアートの世界。展覧会を見終えたら、溶岩が地上に出たような寛次郎の創作活動に圧倒され、そして愉快な気分でした。ビデオで観た晩年の寛次郎さん、とっても痩せた方でした。体内から自分すべてを形として外に出したら、たしかにこうなるだろうなぁ、そんな印象でした。
三婆はその後、今田温泉の露天風呂に浸かって「面白かったね~」と展覧会のことを話しつつ、くつろいできました。

# by kouribakokara | 2018-11-04 09:31 | Comments(0)


海外を転々とする生活が終わりました。行李箱(中国語でスーツケース)で運んだ数々のものたちとともに暮らす日本での生活をつづります。


by kouribakokara

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メモ帳


http://movies.nytimes.com/2011/03/18/movies/the-gift-to-stalin-story-of-a-jewish-boy-review.html

「The Gift to Stalin」
旧ソ連体制時代のカザフスタンの片田舎での出来事を描いた映画。背景に映し出されるステップの四季がとてもきれい。

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